「ヒトはどうして死ぬのか 死の遺伝子の謎」
田沼靖一 幻冬舎親書
細胞に存在する「死のプログラム」がアポトーシス。
そのカウンターとなっているテロメア。
そしてもう一つの死のプログラムがアポビオーシス。
人間は必ず死ぬことができるようにこれらがプログラムされている。
著者は、科学者として、死生観が失われている現在を愁い
有限の時間を生きる意味を死の科学から読みとり
新たな死生観を持つことが大切だとも書いています。
この本を読みながら私は
流転という言葉や
般若心経の世界を感じていました。
昔の人たちが肌で感じ、精神を研ぎ澄まして感じた自然の摂理が
今、科学で解き明かされている
その科学の恩恵で、便利な生活を送っている現代の私たちは
自然の摂理を感じることも
「死」と向き合うこともしなくなった……
特に宗教を持たない私たち日本人からは
「死」が遠ざかっているとはよく言われることです。
著者が書いているように
私たちは今、死の科学から新たな死生観を持つ必要があるのかもしれませんね。
どうしたって逃れることのできない「死」
でもその「死」は、実は、未来の人類のためにあり
それを感じる時、死は永遠へとつながる……
この壮大な宇宙観とも言える視点を感じることができる本です。
ぜひ、ご一読を……
2010年10月29日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿