世話人の本村さんの「第四回・がんサロン活動報告」に、次のような事が書かれていました。
「親のがんを、子どもにどのように伝えますか」
「高齢の親の、がんの告知をどのように考えますか」
親ががんであることを、子どもにどう伝えるか
私の子どもは既に二十歳を超えていたので、躊躇することなく子どもには本当の事を話しました。二人の子どもたちの受け止め方はそれぞれでしたが、それ相応のショックはあったようです。でも、その事に気づいたのは、私自身手術を終え、落ち着いた頃でした。
それは、術後一ヶ月くらいたった頃でしょうか。私が愛犬とじゃれているとき二男がぽつりと「お母さん、元気じゃん」と、ポツリと言ったこと。
そして、長男と話している時に感じた「結構、乳がんの事勉強したんだな」と思わせる一言です。
改めて、二人に心配かけたんだなと実感するとともに、もう少し伝え方を考えるべきだったかなと反省しました。
人間ドックでしこりを指摘され、次の日に精密検査を受けてと慌ただしいなか、家族の気持ちを考える余裕がなかったんだと思います。
そして、この問題がとても深刻なものであると気づいたのが、NPO法人キャンサーネットジャパンの乳がん体験者コーディネーターの講座を受けている時に「子どもに自分の病気の事を言う時に、躊躇した」と聞かされた時でした。
親が子どもに、自分のがんをどう伝えるか。
これは、子どもの年齢に関わらず、大切な問題です。
また、高齢の親のがんをどのように本人に告知するか、もまた難しい問題であるようです。
今病院では、インフォームドコンセントという事で、病について詳しい説明をしますが、高齢者にとって、その話が本当に理解できているかどうか。高齢者に理解できるように説明されているかどうかは、はなはだ疑問に感じることがあります。
いずれにしても、このような問題があるという事を、日本社会全体が認識すること、がまずは大切です。
がんになった親を持つお子さんをサポートするHopeTreeが行った医療者へのアンケートでは、問題意識はあるものの、日本の医療機関においてこの問題に取り組む環境が、まだまだ出来ていない実体が浮き彫りにされました。
そのアンケートの考察の最後には、「医療者自身がこの問題に対する知識や方法を学ぶことが支援への第一歩」とあります。
この第一歩が次の一歩へとつながり、患者を支えるシステムが構築されるように期待したいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿