クリスマス仕様のホテル日航東京にて開催されました。

主催の乳がん患者会・ブーゲンビリア代表内田絵子さんは
16年前にシンガポールで乳がんと診断され、治療を受けました。
その時、元イギリス領のシンガポールの医療が
人間の尊厳を大事にする医療である事を痛感されたそうです。
基調講演で内田さんは
患者が声をあげ、がん対策基本法が制定されたとはいうものの
がん医療に関する相談支援や情報提供の現状はどうだろうか
23年度概算予算で、がん予算が826億円
うち、がん医療に関する相談支援・情報提供への予算は、1億円
このような予算配分では、患者の声が
医療政策に反映されているとは、とても言えないのではないか
と、医療政策に患者の声が十分に反映されていない
日本の現状をお話されました。
次に、アジア各国からの報告がありました。
韓国のキム・スーさんは
韓国での問題点として
患者団体の多くが都市部にあり、地域格差があること
をあげられました。
そして、韓国では
50歳未満のサバイバーから
リーダーを育てる活動をしていることや
政策への働きかけは
日本同様、今後の課題であるとおっしゃいました。
報告の最後には
「アジア全体で一つの力に!」と
呼びかけられました。
シンガポールのがん専門看護婦のジョセフィン・アンソニーさんは
乳がん専門のクリニックがオープンし
ワンストップサービスが実現していることを紹介して下さいました。
この発表の後
司会のTBS解説委員 小嶋修一さん(精巣腫瘍患者会「J-TAG」立ち上げ)から
・ シンガポールはワンストップサービスなど、すばらしい医療水準。
・ 日本の医療は、アジアトップではない。
とのコメントがありました。
台湾のグロリア・ウェイチェン リイさんは
「台湾の乳がん患者は、一つの大きな家族」という考え方をしている。
それは、再発リスクをかかえる乳がん患者は
お互い協力しあって一つになることが大切だからだと
おっしゃいます。
台湾にはReach to Recovery Iinternational(RRI)
という乳がん患者会のネットワークがあることも紹介されました。
このネットワークでは、愛と共有を合い言葉に
アドボカシー活動や、ピアサポート活動をされているとか。
ここで、注目したいのが
患者へ病気の情報を届けるために
患者視点のガイドブックを作成しているという事です。
患者視点のガイドブックといっても
正しい情報であることが、何よりも大切。
ですから、このガイドブックは
医療者により、監修されています。
そして、病院内で、このガイドブックをもとに
ピアサポートが行われているとか。
すばらしいですね。
この時、紹介されたいくつかの写真の中で
特に印象的だったものがあります。
それは、あるワークショップの写真。
そのワークショップは
御夫婦で参加するもののようで
ご主人が一輪の花を奥様へ捧げている様子が
撮られていました。
乳がんは、女性特有の臓器の病
夫といえども、理解しがたい部分があり
患者を支えることは、大変なのかもしれません。
そう言えば
乳がん患者の夫はうつのリスクが高い(がんナビ、2010.10.12)
というニュースがありましたよね。
さて、
2011年11月9~12日タイペイで
Reach to Recovery International主催の
第16回 国際乳がんサポート大会が開催されます。
この会議は
アジアおよび太平洋地域、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ諸国から
乳がん患者と支援団体と医療従事者が集まる
国際フォーラムです。
アジアで会議が開かれるのは32年ぶりだとか。
RRIという全国的な組織があるからこそ
開催することができるのでしょうね。
多くの患者団体がありながら
このようなネットワークができない日本を顧みて
羨ましいやら、ちょっぴり、くやしいやら……
司会のTBS小嶋さんも
「日本に乳がん患者会は多くあるけれど、連合できていない」と
コメント。
続いて報告に立たれた
Hope Project 桜井なおみさんも
開口一番
「日本には、乳がん患者会の連合体がない」ことに言及。
ピンクリボン運動も、開始から10年経つが
何が変わったのだろうか。
死亡者数が減らないのは、どうしてなのだろうか。
今、新たなピンクリボン運動を考える時ではないかと
問題提起。
今までは
一般の人への啓発活動が主だったけれども
今後は
患者やその家族のため
また、乳がんで亡くなった方やそのご家族のため
という視点でのピンクリボン運動も
必要なのではないか
と力説されました。
桜井さんの発表の中
一番印象的だったのは
東京タワーをピンクに染めるだけが、ピンクリボン運動ではない!
という言葉です。
これには、同感の一言!
最後は、日本医療政策機構の埴岡さん。
みんなで力を合わせ、国を乗りこえ
いかにして、政策提言をしていくのかを考える時がきている
とのお話の後
日本医療政策機構によるアンケートから
患者や国民が、医療政策を不満に思っているのは
国民から制度がどのように作られているのかがみえないからだ。
医療制度は、誰が決めるのか
と日本の医療政策の現状をお話下さいました。
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