2011年1月28日金曜日

岩手ホスピスの会、タオル帽子講習会に参加しました

1月22日(土)UCHINOの本社で行われた岩手ホスピスの会のタオル帽子講習会に参加しました。

UCHINOは、タオル関連の製造小売業で
本社内のショールームには、とても素敵なタオルがありました。
名前入りタオルや、自分のデザインをタオルにできたりもできるようです。
この季節、入園のお祝いに名前入りタオルは
名札作りに悩まされるお母さんにとっても、うれしいプレゼントになりそうです。

UCHINOさんは、この日会場を貸して下さったばかりではなく
岩手ホスピスの会のタオル帽子に賛同し
さまざまな協力をして下さっているようです。

会社の方の、このような説明を聞きながら
UCHINOさんの協力に、一患者として感謝するとともに
一枚のタオル帽子をきっかけに
ここまで、運動を大きくしてきた岩手ホスピスの会の取り組みなど


感心することしきり、でした。


いよいよ、タオル帽子作りの講習会スタート。
この日UCHINOさんが提供くださったタオルの中から
自分の好みのものをセレクト。
私は、ガーゼの手触りにひかれて、淡いピンク色のタオルをチョイス。
――これが、後の苦労のもととなるとは・・・

講習会では、岩手ホスピスの会の方々が講師になって
手取り足取り教えて下さったので
「えっ? 千鳥ぐけって何だっけ」
という、裁縫とは縁のない私でも
なんとか、2時間くらいで縫い上げることができました。

でも・・・・ガーゼって、ボロボロほどけてきて
縫いにくいんです。
それに、タオル地は表目があまり目立たないのですが
ガーゼ地では、私のあまりに荒い縫い目が丸見え。

ま、出来上がりはこんな具合







なんとか、かんとか、形にはなっていますが・・・
とりあえず、我が家のワンコにかぶせてみると




こんな感じです。

この日、講習会に参加された方は
がんとは関係ない方もいらっしゃいましたが
岩手ホスピスの会の説明ビデオをみながら
「他人事じゃないものね。自分だって
自分の周りにだって、いつ誰ががんになるかわからないもんね」
とおっしゃっていました。

つらい抗がん剤を受けているため何かのお役にたてば
というのが、そもそものタオル帽子作りですが
タオル帽子講習会に参加することで
がんという病をより身近に感じてもらうこともできるんですね。

それに、岩手ホスピスの会の吉島さんもおっしゃっていましたが
ボランティアで帽子を縫って下さっている高齢者の方から
「自分にも、まだまだ役立つことがあるんだ」との声を聞くことがあるとか。



帽子を作ることで、病を知ったり、社会参加していると実感できたり
また、出来上がった帽子も
病院で家庭で、いろいろな場面で利用できる
ホントに、タオル帽子の取り組みってすばらしい!と思いました。
私個人的には、高齢者の方のナイトキャップにも
とても適していると思っています。

はじめて縫ったタオル帽子ですが
どんな時にかぶろうか
どんな方の手に渡るのだろうか
誰にプレゼントしようか
などと想像しながら、一針一針縫い上げるのは
とても充実した時間でした。
(残念ながら、縫い上がった帽子を見て
プレゼントという選択肢は、なくなりましたが・・・・。
次は、がんばるぞっ)

そして帰りの電車の中
船橋がんサロン「ここにおいでよ」でも、この岩手ホスピスの会の取り組みを紹介したいな
そして、地域の病院に寄付できるほどのタオル帽子ができればいいな
と夢を膨らませていました。

さて、私の作ったタオル帽子では、いまいち良さが伝わらないと思いますので
当日会場に紹介されていた作品をご覧下さい。





































かわいいでしょ・・・・

タオル帽子について、詳しくは
岩手ホスピスの会ホームページをご覧下さい。

2011年1月2日日曜日

あけましておめでとうございます

2011年1月1日の朝
カーテンを開けるとまばゆい光と青空でした。

・・・って、思いっきり寝坊の元旦は
食っちゃ寝しながら
データ放送にはまっていました
そして
「データ放送の画面のおかげで
テレビの画面が小さなるって
なんでやねん!」
と、初つっこみ。

そんなこんなで
一年の計は元旦にあり・・・の貴重な時間を過ごしてしまいました。

まっ、これも大切な充電期間と気を取り直し
2日の朝、箱根駅伝。
またまた、データ放送にはまって半日過ごして
地元の神社に初詣。

パンパンと一年無事であることを祈願し
破魔矢を胸に抱いて帰る道
破魔矢の鈴の音が
厄を払い、良いことを呼び込む音色に
聞こえてきました。

なんとなく平和に過ぎていく
我が家のお正月です。

今年もよろしくお願いします。

2010年12月31日金曜日

船橋がんサロン「ここにおいでよ」、来年もよろしくお願いします

今年の3月「船橋にがんサロンを・・・」と、NPOピュアの藤田さんと、世話人の本村さんと三人で立ち上げた「ここにおいでよ」。
毎月一回必ず開催を合い言葉に、5月~12月まで8回開催することができました。
来年も、毎月一回必ず開催を目標に、続けていきたいと思っています。

がんの悩みを一人で抱えないでとの願いを込めた「ここにおいでよ」
苦しいこと、辛いこと、不安なことをここに来て話して、その重荷を降ろしていってほしい、同じ病の人同士話したり、聞いたりすることが、癒しになるはず・・・そんな思いで世話人を続けているうちに、一番癒されているのは私ではないかと、ふと感じることがあります。

来年も、一人でも多くの方と、苦しみ・悲しみ・不安を分かち合い、一人でも多くの方の笑顔に出会いたいと思っています。

船橋がんサロン「ここにおいでよ」は、来年も、毎月一回必ず開催で続けていきます。
どうぞ、いつでもお立ち寄り下さい。
https://sites.google.com/site/kokofuna/

2010年12月25日土曜日

乳がん手術の意味を見直す・・・日経メディカルオンラインより

2010.12.20の日経メディカルオンラインの記事に「乳がん手術の意味を見直す時がきた」という、順天堂医院乳腺センターの霞富医師へのインタビュー記事がありました。
そこには、センチネルリンパ節生検が世界的には見直されつつあることや、乳がんの根治手術を行いn0と診断された患者の骨髄を調べると20~45%の患者にがんの転移が見つかった、これは乳がんが全身病であるという問題にかかわる重大な発見と書いてありました。
そして、今後は手術が中心だった乳がん治療は、化学療法を積極的に取り入れた「総合的なものになる」だろうと書いていました。

この記事を読んでちょっとショックだったのは、日本ではようやく今年(2010)の4月にセンチネルリンパ節生検が保険適用になったばかりなのに、世界、というか、最先端では見直されつつあるとは・・・
そして患者としては「乳がんは全身病」という言葉が、心にぐさりと響きました。

日々、新たな研究がなされ進化していくがん医療に期待するとともに、世界の流れに「置いてけぼり」にされない日本の医療であることを願ってやみません。

2010年12月23日木曜日

第6回がん患者大集合の3つのアピール

がん患者団体支援機構が主催する「がん患者大集会」が、ネット配信されています。
第一部は「心のケア」
ピアカウンセリングの必要性や有効性についてのお話が印象的でした。
特に、入院中は同室の人たちと一緒に泣いたり笑ったり、励まし合ったり
それが、どれほど心の支えになったのかという体験談に
自分の入院の頃を思い出していました。

入院時「個室」に「固執」。
でも退院が近付く頃には、ちょっと退屈。
誰かとお話したいなと思っていました。
もし、患者ロビーや患者同士のティータイムなんてのがあったら
同じ病の人とおしゃべりしたり、情報交換ができたかも……

第二部は、がんとお金について
就労関係のお話では、企業の中でがんに対する啓蒙活動が必要
との指摘もありました。
また制度の問題として、高額療養費や傷病手当の見直しが必要との意見。
これらの制度は
「公平な負担と支給」や
「進歩した医療(多くの病は、長く付き合う病気となった)」を視点に
早急に見直してほしいものです。

また、がん検診率をあげ早期発見・早期治療につなげることは
国の財政面でも、個人にとっても、最も負担が少ない方法である
という意見には、大いに納得。
「検診率50%達成」も掛け声ばかりで実現しそうにない
お粗末な現状をなんとか打破したいものですね。

検診といえば
市の受診券が使えるのが
市内の協力医療機関のみであることに納得がいかないのは、私だけでしょうか。
もし市内ではなくても、職場の近くなどの医療機関でも受診可能なら
また、夜や日曜に検診を受けることができるのなら
少しは検診率があがるような気がしますが、いかがでしょうか。

さて、第6回がん患者大集合では、以下の3つのアピールが採択されました。

①ピアサポートセンターの設立と全国展開
 ピアサポートによる24時間のコールセンター

②がん患者の社会的なきめこまかい支援の拡充
 各都道府県のがん対策推進計画に基づき、がんになった時の手引き書として
 各県ごとの地域の診療情報の作成を要望する。
 患者の生活を守るため、高額療養制度や傷病手当の見直しを要求する。

③がん患者の働く環境の整備
 自立支援のため企業・経営に対する助成制度の設定
 企業に、がん患者の働く権利を守る就労規則作成の義務化を要望する。

これらのアピールを見て
思い浮かんだのが「患者アドボカシー」という言葉です。

患者が抱えている問題を解決するためには
患者自身が声をあげることが必要。
そして、このアピールができた。
でも、これだけじゃ何も解決しないのではないだろうか。
このアピールを受けて
患者一人ひとりが何をするかが
まずは、問われるのではないか
と思ったのです。

そして、私に何ができるのか
私なりの「患者アドボカシー」を考えてみました。

まずは、日々前向きに生活すること。
がん患者だって、明るく前向きに、そして、元気に
日常生活を送ることができる。
こんなことすら、まだまだ、知られていないのが現状。
……つい先日も
「早期の乳がんだ」という事を伝えている知人から
「あら、元気そうでよかった」と声を掛けられ
ちょっと複雑な気分になりました。
そりゃあ、時には落ち込んだり
とてつもなく体がだるくなったりすることもあるけれど
健康な時と、変わらぬ生活を送ることも可能なのが
現在のがんとのお付き合い。
そんな事を、まずは皆さまに知ってもらいたいですね。

そして、昨年から始めたがんサロン。
来年も「毎月一回、必ず開催」を合い言葉に
続けていきたいと思っています。

また来年は、自分の住む地域のがん対策にも
関心の目を向けたいとも思っています。

あまりにちっぽけなことばかりで
「患者アドボカシー」なんて大声では言えないけれど
一つひとつ、丁寧に向き合っていきたいと思っています。

2010年12月12日日曜日

第6回がん患者大集会―12月19日開催です。

がん患者団体支援機構主催、第6回患者大集会が12月19日(日)東京医科歯科大学 M&Dタワー大講堂にて、13時より開催されます。
大会の模様は、インターネットで無料配信されます。また、twitterでの参加もできるようです。
今回のテーマは「がんでも自分らしくいきる」(「心のサポート」・「がんとお金」)。

詳しくは、がん患者大集会ウェブサイトをご覧下さい。

twitterは、 #canpslive につぶやいてね……とのことです。

2010年12月9日木曜日

「がん患者意識調査2010」12月20日締め切りです

日本医療政策機構・市民医療協議会・がん対策情報センターが「がん患者意識調査2010」を行っています。
この調査は、患者の抱える課題を社会で共有することで、課題解決へ向けた社会的機運が高まり、よりよい医療の現実の原動力となることを目指して実施されている調査です。対象は、
がん患者や経験者、家族・遺族が対象の調査です。
ホームページを通して、ネットで回答できます。

そして、この調査の最後に、『日本の医療政策を良くするために必要と思われることを1000字以内』でという自由記述の質問があります。
私も、日頃患者として思っていることを書いてみました。
「蟻の一穴」であることを信じて、みなさんの思いを書いてみませんか。

さて、同ホームページの活動報告の〈UICC(国際対がん連合)「世界がん会議」参加レポート〉には、次のような事が書いてありました。

記事より抜粋、ここから―――
「米国ではロビイストの力が強いので、市民の発案であれば、議員がそれをとりあげ、必要な事項であれば州法制定されることは珍しくない。このため議員のがん経験の有無は重要ではない」

「英国では患者が横断的な連携をとっていますが、もう一歩踏み込むことが大事だと思っています。つまりいくつかの患者団体がそれぞれ別々のことを訴えても、行政は動いてくれない。皆の声をひとつにまとめて初めて、患者の声は届きます」
記事より抜粋、終わり――

いかがでしょうか。

さて日本の現状はと、見渡せば……。
かくいう私も、患者アドボケートという言葉は、患者となって初めて知った言葉。
最初は、一体なんなんだろうという気持ちの方が大きかった、というのが本当のところでした。
まだまだ、真に理解したというところには至っていませんが、少しずつ学んでいきたいと思っています。

2010年12月4日土曜日

乳がん体験者ゴスペルを歌う―BCSC(ブレスト キャンサー サバイバー コーラス)

ある一人の乳がん体験者が
乳がん体験者でゴスペルを歌いたい!
歌うことで、同じ病の方を勇気づけられるかもしれない
一人じゃない、ここに仲間がいることを伝えたい
との思いで始まった
BCSC(ブレスト キャンサー サバイバー コーラス)
その思いを
亀渕友香&VOJAの方々が
受けとめて下さり

彼女の思いと同じくする
乳がん体験者が44名集まり

乳がん体験者ではないけれど
受付などの雑用を快く引き受けて下さった方に
支えられ
昨日、遂に本番の日を迎えました。

実は、自宅で歌の練習をしていると
我が家のワンコが挙動不審になっていました。
何故だろう……
とず~っと不思議でしたが
10月から始まった練習の日々を振り返り
これが原因かな、と思うことがありました。

それは、練習中の私の顔。
きっと、上手く歌おうと、楽譜をにらみつけて
歌っていたのでしょう。
だから、声も顔もきっと、恐かったんでしょうね。

亀淵友香さんによるレッスンの時
「あなたたちは、何のために歌うの」と問いかけられました。
その事をず~っと考えていました。

そして、昨日の本番。
亀淵さんに見守られ
指揮して下さる大塚桂さんやVOJAの方々に支えられ
BCSCのみんなと
"あなたはひとりではない"という思いを
歌に込める事ができたような気がします。

そして、緊張しながらも
少しだけ、笑顔になることができたかなとも
思っています。

みんな・みんな、ありがとう!

一人の夢がみんなの夢となり実現した昨日
私たちの新たな夢が始まりました。

2010年12月2日木曜日

聖夜に命を考える―キャンサー サバイバーズ イブニングセミナー

NPO法人キャンサーネットジャパンが、クリスマスにお届けするイブニングセミナーのご案内です。
********
12月25日(土)フォーシーズンズホテル椿山荘 にて
第一部 16:00~17:45
*司会は日テレ報道局の町亞星さん。
*医師による講演、”心と身体の栄養のおはなし”
 東口髙志先生:
(藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座教授)
*乳がん体験者のモデル、MAIKOさん、
 埼玉医科大国際医療センター 腫瘍内科医の佐治重衡先生を
 ゲストにトークショー、
第二部 18:00~20:00
*ギターデュオ「いちむじん」(NHK龍馬の紀行の音楽)の演奏
*立食ディナー
*******
をお楽しみいただきます。

フォーシーズンズホテルの立食ディナーと音楽と、
楽しいサバイバーズトークの参加費用は、

一般の方   10,000円
がん体験者  7,000円 です。

詳細・お申し込みはコチラ↓からお願いたします。
http://www.cancernet.jp/eve101225.html

2010年11月28日日曜日

第4回アジア乳がん患者大会―第2部 シンポジウム

第2部のシンポジウムは
医療政策へ患者参画がテーマでした。

最初に
国の予算配分に患者の要望がどのくらい反映されているのだろうか
という質問がされると

台湾では、患者のかわりに患者会が医療費への提言を行っている、とのことでした。
では、日本はどうだろうかというと

患者の7%が、経済的負担から
治療の中止や変更をしていることが
アンケートによりわかった。
このような現状を見ると
医療についての財源や、負担と配分を考える時が来ているのではないか。
そして、日本でも患者による患者目線の提言があってもいいのではないか。
という話がありました。

治療費の負担に関しては
韓国では、乳がんは「深刻な病気」と分類されていて
5年間は10%の自己負担で治療が受けられるとか。

うらやましいですね。

小嶋さんからは
「がんの撲滅」を掲げたイベント
アメリカのStand Up to Cancerのようなイベントができないだろうかと考えている
とのお話がありました。
この一大チャリティイベントで集まった寄付金を、がん研究へ役立てたい。

この話は、キャンサーネットジャパンの
「もっと知ってほしい乳がんのこと2010」でも
少し、お話がありました。
その時も思ったのですが
本来なら、リレー・フォー・ライフで集まった寄付金が
がん研究に捧げられてもいいはずなのに
(私は、そうすべきと思っています)
そうはなっていないのが、日本の現状のようですね。

もう一つ、耳寄りなお話です。
それは、順天堂医院乳腺科医師の斎藤さんのお話です。

斎藤さんたちは、今
台湾の患者会から紹介されたような
患者目線のガイドブックを
作成しているというのです。

斎藤さんは
ピアサポートについて
体験者から話を聞くことで
患者さんに、治療への納得感が高まるのではないか
と思っていらっしゃるとか。

どのようなガイドブックが出来上がるのでしょうか。
楽しみですね。

がんと共に生きる会の海辺さんは
患者会のネットワークが広がらないことの理由の一つに
個人の熱いボランティア意識のみに支えられている現状があるのではないか
患者会が、社会中の一つの枠と認められるようになることが
安定的な活動のためにも、必要だとの発言がありました。

患者アドボカシーということをテーマに
話し合われたシンポジウムの最後に
埴岡さんが
活動が目的ではなく、誰に安心を届けるかを考えて活動してほしい
と発言されましたのも
私の心にズシンと響きました。

この時、脳裏に浮かんだのが
12月3日の乳がん体験者によるゴスペル隊の練習の一こまです。
先日、レッスン中に
亀渕友香さん

「あなたたちは、何故、この場に立って歌うのか
それを考えてほしい。
 誰のために、歌うのか
 歌うことで、何を訴えたいのか」

この日、亀渕さんは
乳がん体験者へのレッスンという事で
アメリカ生活でのピンクリボン運動を思い出され
ピンクリボンのイヤリングをしていらっしゃいました。
当時のアメリカは「乳がん撲滅」を掲げたピンクリボン運動をしていたとか
もう、十数年以上前の話だそうです。

この日のシンポジウムで海辺さんも
乳がん患者から
「ママ友に乳がんのことを知られたくない」
という声をよく聞く。
まずは、このような現状を脱却することが
ピンクリボン運動のひとつの目的なのかもしれない」
というような事をおっしゃっていました。

こうして、アメリカやアジアの国を見渡してみると
どの国よりも、一歩も二歩も出遅れている
日本のがん医療の現状が見えてきました。

2010年11月27日土曜日

第4回アジア乳がん患者大会―第1部「各国の患者会活動報告」

第4回アジア乳がん患者大会が
クリスマス仕様のホテル日航東京にて開催されました。


主催の乳がん患者会・ブーゲンビリア代表内田絵子さんは
16年前にシンガポールで乳がんと診断され、治療を受けました。
その時、元イギリス領のシンガポールの医療が
人間の尊厳を大事にする医療である事を痛感されたそうです。

基調講演で内田さんは
患者が声をあげ、がん対策基本法が制定されたとはいうものの
がん医療に関する相談支援や情報提供の現状はどうだろうか

23年度概算予算で、がん予算が826億円
うち、がん医療に関する相談支援・情報提供への予算は、1億円
このような予算配分では、患者の声が
医療政策に反映されているとは、とても言えないのではないか

と、医療政策に患者の声が十分に反映されていない
日本の現状をお話されました。

次に、アジア各国からの報告がありました。

韓国のキム・スーさんは
韓国での問題点として
患者団体の多くが都市部にあり、地域格差があること
をあげられました。
そして、韓国では
50歳未満のサバイバーから
リーダーを育てる活動をしていることや
政策への働きかけは
日本同様、今後の課題であるとおっしゃいました。
報告の最後には
「アジア全体で一つの力に!」と
呼びかけられました。

シンガポールのがん専門看護婦のジョセフィン・アンソニーさんは
乳がん専門のクリニックがオープンし
ワンストップサービスが実現していることを紹介して下さいました。

この発表の後
司会のTBS解説委員 小嶋修一さん(精巣腫瘍患者会「J-TAG」立ち上げ)から
・ シンガポールはワンストップサービスなど、すばらしい医療水準。
・ 日本の医療は、アジアトップではない。
とのコメントがありました。

台湾のグロリア・ウェイチェン リイさんは
「台湾の乳がん患者は、一つの大きな家族」という考え方をしている。
それは、再発リスクをかかえる乳がん患者は
お互い協力しあって一つになることが大切だからだと
おっしゃいます。

台湾にはReach to Recovery Iinternational(RRI)
という乳がん患者会のネットワークがあることも紹介されました。
このネットワークでは、愛と共有を合い言葉に
アドボカシー活動や、ピアサポート活動をされているとか。

ここで、注目したいのが
患者へ病気の情報を届けるために
患者視点のガイドブックを作成しているという事です。
患者視点のガイドブックといっても
正しい情報であることが、何よりも大切。
ですから、このガイドブックは
医療者により、監修されています。
そして、病院内で、このガイドブックをもとに
ピアサポートが行われているとか。

すばらしいですね。

この時、紹介されたいくつかの写真の中で
特に印象的だったものがあります。
それは、あるワークショップの写真。
そのワークショップは
御夫婦で参加するもののようで
ご主人が一輪の花を奥様へ捧げている様子が
撮られていました。

乳がんは、女性特有の臓器の病
夫といえども、理解しがたい部分があり
患者を支えることは、大変なのかもしれません。
そう言えば
乳がん患者の夫はうつのリスクが高い(がんナビ、2010.10.12)
というニュースがありましたよね。

さて、
2011年11月9~12日タイペイで
Reach to Recovery International主催の
第16回 国際乳がんサポート大会が開催されます。



この会議は
アジアおよび太平洋地域、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ諸国から
乳がん患者と支援団体と医療従事者が集まる
国際フォーラムです。
アジアで会議が開かれるのは32年ぶりだとか。
RRIという全国的な組織があるからこそ
開催することができるのでしょうね。

多くの患者団体がありながら
このようなネットワークができない日本を顧みて
羨ましいやら、ちょっぴり、くやしいやら……

司会のTBS小嶋さんも
「日本に乳がん患者会は多くあるけれど、連合できていない」と
コメント。

続いて報告に立たれた
Hope Project 桜井なおみさんも
開口一番
「日本には、乳がん患者会の連合体がない」ことに言及。

ピンクリボン運動も、開始から10年経つが
何が変わったのだろうか。
死亡者数が減らないのは、どうしてなのだろうか。
今、新たなピンクリボン運動を考える時ではないかと
問題提起。
今までは
一般の人への啓発活動が主だったけれども
今後は
患者やその家族のため
また、乳がんで亡くなった方やそのご家族のため
という視点でのピンクリボン運動も
必要なのではないか
と力説されました。

桜井さんの発表の中
一番印象的だったのは

東京タワーをピンクに染めるだけが、ピンクリボン運動ではない!

という言葉です。

これには、同感の一言!

最後は、日本医療政策機構の埴岡さん。
みんなで力を合わせ、国を乗りこえ
いかにして、政策提言をしていくのかを考える時がきている
とのお話の後
日本医療政策機構によるアンケートから

患者や国民が、医療政策を不満に思っているのは
国民から制度がどのように作られているのかがみえないからだ。
医療制度は、誰が決めるのか
と日本の医療政策の現状をお話下さいました。

2010年11月20日土曜日

日経新聞、2010.11.19日配信
がん対策協議、迷走のニュース


患者委員から
がん対策基本法に患者の声を反映させる
という謳い文句に反し
患者の声が十分に反映されていない
と指摘し
会長解任の緊急動議を提出したというニュースです。

なんでも
5ヶ月間も協議会が開催されず
その間に厚労省が
概算要求でがん対策予算を提出。
その概算要求には、協議会からの意見が
十分に反映されていなかったと
患者委員が指摘。
それに対し、厚労省側は
「法律上は協議会には
(5年に1度検討する)がん対策推進基本計画の
意見を聞く以外に業務はない」
と権限を限定的に説明
と記事には書いてあります。

厚労省のこの説明には
患者の一人として
残念でなりません。

患者と国が一緒になって
がんを撲滅しよう
というのが
がん対策基本法の思想と思っていたのに
これでは、国の認識は
患者の意見はお飾り程度
という事なのかと思ってしまいます。

MDアンダーソン病院の上野直人医師は
患者は、医療者や社会へ向けて
意見を発信すべき
と、よくおっしゃいます。
患者の意見が
医療を変え
医療を発展させ
社会を変えていくのだと。
→2010年第48回癌治療学会・市民公開講座で
上野先生がお話されています。
NPO法人キャンサーネットジャパンの
ビデオライブラリ
でご覧頂けます。

でも、日本では
現状、患者の声は
負け犬の遠吠え状態なのか
と、思ってしまいました。

……でも、ここで諦めてはいけないのです!
患者、一人ひとりが
地道に、少しずつ
思いを隣人へ、そして、社会へ伝えていくことは
次代への、大きなキャンサー・ギフトとなるはず……と思うのです。

2010年11月16日火曜日

もっと知ってほしい乳がんのこと―NPO法人キャンサーネットジャパン

11月14日、東京ウィメンズプラザで「もっと知ってほしい乳がんのこと」が開催されました。

その中から、ちょっとご紹介です。

ハーセプチンという分子標的薬は
HER2陽性の乳がんにとても効果があります。
この薬が開発されるまでは
HER2陽性の乳がん患者の生存期間は思わしくありませんでした。で
も、この薬が出来てからは
なんと他のタイプの乳がん患者よりも生命予後が良い
というデータもあるそうです。
でも、HER2陽性患者さんのすべてに
このような効果があるわけではないことも事実です。
そこで、T-DM1という新たな抗がん剤に期待が集まっているようです。

このように次から次へ新たな薬が開発されていますが
例えば、稀少なタイプ、例えば全患者の3%しかいないタイプのための
新薬を開発するのだろうかという不安があるようです。

次は、温存術についてのお話。
温存術も数よりも質の時代に入ったようです。
質とは、すなわち整容性の問題です。

整容性を考えて
温存よりも再建を選ぶ患者さんもいらっしゃるようですが
聖路加国際病院乳腺外科の山内英子先生の次の言葉が
とても印象に残りました。

「術後、フラットになった胸を患者が目にした時の精神的負担が大きい」

温存術も発達し、美しい温存も可能になってきているとか。
そして、山内先生は、次のようにおっしゃいました。

温存・切除・再建
様々な選択肢があるが、自分の選択をすることが大切
何が一番よいのかは、その人でないと決められない。
多くの選択肢からどれを選択するかを、患者と医師が一緒に悩み、決めていくことが大切。
そして、自分の決めた治療法に、自信を持ち、誇りを持ってほしい。

わぉ!
医療者は、病の事しかわからない。
患者が、自分の事を語ることから、NBMが始まる。
診察室で、悩みながらも
自分の今までの人生、これからの人生を医療者に語り
共に悩むことで、その後の物語を作っていく。

これぞNBM(Narrative-BasedMedicine)!
素敵なお話ですね。

でもねぇ
日本全国、どこの診察室でも
このような物語が始まるわけではない現実もありますよね。

そして、術前ホルモン療法のお話。
ホルモンレセプター陽性の人で
ホルモン療法が効かない人がいるらしいのです。
それを調べるために、手術前に3~6ヶ月
ホルモン療法を行うというものです。
この術前ホルモン療法については
現ガイドラインでは強く勧められているわけではなく
現在は、臨床試験段階です。
しかし、5年も飲む薬の効果のあるなしは
無視できない問題であるとも言える
というお話でした。

ところで、乳がん患者は他のがん種に比べ
不安が高い傾向にあるとか……。
そして、その不安への早期介入(緩和治療やカウンセリング)は
生命予後にも影響するのだそうです。

なるほど、このあたりに
乳がんの患者会などが多い理由がありそうですね。
そして、乳がん患者会が姦しいのも
不安があるからこそ
その不安を吐き出すためにいっぱい喋り
吐き出した不安の分だけ
元気になるのかもしれませんね。

「もっと知ってほしい乳がんのこと2010」は
まもなく、キャンサーネットジャパンのホームページ
上で
公開されます。
お楽しみに!

2010年11月11日木曜日

キャンサーネットジャパン・ビデオライブラリより「もっと知ってほしい大切にしたい「会社・病院etc...」のこと

キャンサーネットジャパン
ビデオライブラリ
もっと知ってほしい大切にしたい「会社・病院etc...」のこと


7月24日に開催された
もっと知ってほしい大切にしたい「会社・病院etc」のことでは
がん患者が、その経験をいかに社会に還元するか
還元できるような社会とは
という観点から、がんを考えています。

今はまだ、がん患者だからということで
会社を辞めたり
また、会社には患者であることを隠していたり
という事がよくあるようです。

でも、がん経験者を雇うことで
新たな雇用形態が生まれたり
その新たな雇用形態は
がん患者のみならず
他の病気の患者や高齢者にとっても
働きやすい環境かもしれない。
そこに、少子高齢化で
今までのような右肩上がりの発展も望めない日本社会にとっては
新たな展望が生まれるかもしれません。

そのためにも、がんと告知されても
あきらめずに、まずは自分の病を正しく知り
治療を受けながらも、社会参加を続けていく
という意識が、患者には必要なのかもしれません。

仕事に限らず
がん患者となっても
自分なりに社会と関わり続けることは
療養生活上でも、きっとプラスになると思います。

では、以下にこのビデオ関連の情報をお知らせします。

12月5日には「ラン・フォー・ホープin東京 2010」が開催されます。
このイベントは、がん撲滅をスローガンとしたチャリティジョギング/ウォーキング大会です。
フォーシーズンズホテル椿山荘 東京が
1992年のホテルオープン以来続けている取り組みだそうです。
詳しくは、こちらをご覧下さい。

そして、この椿山荘で、12月25日に
キャンサーネットジャパンによる
キャンサーサバイバーズイブニング
「心と身体の栄養のお話」とX'mas Party
が開催されます。
一般一万円の参加費が
がん患者・体験者は、7千円だとか。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
セミナー参加者は
ホテルの宿泊料金が3割引になるサービスもあるようです。

それから、もう一つ。
キャンサー・ソリューションズ㈱による
がん経験者のための就労支援プロジェクトというものがあります。
これは、株式会社日本医療事務センターに
がん患者として登録し
がん患者を積極的に受け入れてくれる企業への
就職支援を行おうというものです。
まだまだ始まったばかりの試みで
すぐに就労というわけにはいかないかもしれません。
でも、登録者数が増えれば
その事が一つの力となり
もしかしたら、企業を動かす力になるかもしれませんね。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
キャンサーソリューションズ㈱

2010年11月5日金曜日

日々進化するがん治療

京都で開かれた日本癌治療学会の「日本癌治日報」より
乳がん関連の記事をご紹介します。

10月29日シンポジウム14『トリプルネガティブ乳がんの治療戦略が進化しはじめた』

昨年、乳がん体験者コーディネーター講座を受講時に
「今、治療法に苦慮するのが、トリプルネガティブ乳がん」
という話を聞きました。

一年後の癌治療学会の速報でのこの見出し。
日々進化しているがん治療を目の当たりにしたように思いました。

そして、もう一つ驚きだった記事が
10月30日『消失した腫瘍を正確かつ安全に切除するには?』
という記事です。

術前化学療法で小さくした腫瘍を切除するという術前化学療法ですが
化学療法により腫瘍の存在が確認できない場合もあるとか。
そんな時、どこまで切除するのかの決定が難しいそうです。
そこで、化学療法施行前のCTによる3次元構築画像を
患者の体表に直接投影して、腫瘍があった範囲を把握しながら
手術を行う方法があるそうです。

すごいですねぇ~。

化学と科学で、患者を救う……
ってところでしょうか。

2010年10月31日日曜日

医療費の経済的エビデンス

科学的根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)については
このところ広く目にし耳にすることが多くなってきました。
でも、経済的エビデンスという言葉をご存知でしょうか。

医療の科学的エビデンスに、経済的エビデンス(経済的な指標)を加味して
総合的に医療費を判断し
公的保険や税金で何をどこまで賄うのかを決定しようという考え方だそうです。

では、医療の経済的エビデンスとはいったい何でしょうか。
それは、ある治療法や薬による「費用対効果」の問題です。
「費用」は治療にかかる費用
「効果」とは、その治療により受けることのできる恩恵とでも言えばいいのでしょうか。
生存期間や、その治療が患者にもたらすベネフィットや
普通に生活できる期間がどのくらいになるのか、といった事です。

英国などの先進国では、すでにこのような考え方が採用されており
英国では、普通の生活を送れる状態で1年間長生きできた場合に
追加で支払ってもよい治療費の上限の目安を3万ポンドとしているとか……

日本でも、最近、医療費の財政問題に関するニュースが目立っているように思います。
例えば
一千万円以上のレセプトが年々増えている(2009年度155件件)や、
高額療養費についての厚労省よる試算のニュース
そして政府の行政刷新会議のライフイノベーションワーキンググループが
公的医療保険の適用範囲を真剣に検討すべきという意見があがったというニュースなどです。
これらのニュースは
行政からの「そろそろ真剣に討議しなければ」というサインのように
私は思っています。

私自身、がんと診断された時に、まず頭に浮かんだのが「医療費」
そして、直ぐに保険会社に電話しました。
医療保険とがん保険で、なんとかなりそうと一安心。
で、やはり何よりの安心は「国民皆保険」制度だったという事は、言うまでもありません。
この医療に対する大きな安心となっている国民皆保険制度を守るためにも
今、医療費の費用対効果に関する議論は、必要だと思います。
けれども、これは非常にセンシティブな問題で
うっかりすると、あの後期高齢者制度の時のような感情論に走ってしまうのではないか
とも思います。

がんに限らず、どんな病気でも治療費は患者にとっては大きな問題です。
特に、がん領域では、今後もどんどん新たな薬や治療法が開発され
それらの治療を受ける事ができることでしょう。

その時、私たちは何を目安にその治療を選択するのでしょうか。
治療費だけで、治療を諦めなければいけない、というのも悲しい事です。
同時に、生存期間は伸びたけれど
その間、耐え難い副作用と付き合わなければならない、という状況も辛い事だと思います。

医療費の費用対効果の問題は、一人ひとりの、死生観にもつながる問題です。
難しいけれど、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

がんの経済的エビデンスについては
がん治療費.comがん治療の科学的エビデンスと経済的エビデンス
を参照しました。
詳しくは、そちらをご覧下さい。

2010年10月29日金曜日

ブックレビュー「ヒトはどうして死ぬのか 死の遺伝子の謎」

「ヒトはどうして死ぬのか 死の遺伝子の謎」
田沼靖一 幻冬舎親書

細胞に存在する「死のプログラム」がアポトーシス。
そのカウンターとなっているテロメア。
そしてもう一つの死のプログラムがアポビオーシス。
人間は必ず死ぬことができるようにこれらがプログラムされている。

著者は、科学者として、死生観が失われている現在を愁い
有限の時間を生きる意味を死の科学から読みとり
新たな死生観を持つことが大切だとも書いています。

この本を読みながら私は
流転という言葉や
般若心経の世界を感じていました。

昔の人たちが肌で感じ、精神を研ぎ澄まして感じた自然の摂理が
今、科学で解き明かされている
その科学の恩恵で、便利な生活を送っている現代の私たちは
自然の摂理を感じることも
「死」と向き合うこともしなくなった……
特に宗教を持たない私たち日本人からは
「死」が遠ざかっているとはよく言われることです。

著者が書いているように
私たちは今、死の科学から新たな死生観を持つ必要があるのかもしれませんね。

どうしたって逃れることのできない「死」
でもその「死」は、実は、未来の人類のためにあり
それを感じる時、死は永遠へとつながる……

この壮大な宇宙観とも言える視点を感じることができる本です。
ぜひ、ご一読を……

2010年10月21日木曜日

ブックレビュー「がんと一緒に働こう」

「がんと一緒に働こう 必携CSRハンドブック」(CSRプロジェクト編 合同出版)

CSRプロジェクトのCSRとは
Cancer Survivors recruitingの略で
がん患者の就労を考えるプロジェクトです。
このCSRプロジェクトが、がん経験者に呼びかけて作った本です。

がんになっても、働き続くために知っておきたい働く権利や
雇用主とのコミュニケーションの取り方
保険や社会保障の事
どこに相談に行けばいいかや
ワーキンググッズや生活術
などが書かれています。

ここに書かれている事は
がんと診断されても働き続けるために必要な事ですが
ぜひ、多くの人に読んでほしいと思いました。
がん患者さんも、そうでない人も……
もし、職場の同僚や部下ががんと告知されたと知った時
きっと役立つはずです。

この本の最初にも
「がんになっても働き続ける解決策を社会と共有するために、この本は存在する」
と書かれています。

問題を共有すれば、そこに解決の道も見えてくるのではないでしょうか。

2010年10月18日月曜日

リレーフォーライフとグリペック

この間「高額療養費」の話題の中で
グリペックの話をしました。
ところで、このグリペック。
アメリカでのリレーフォーライフで集まった寄付金が
開発の後押しをしたそうです。

びっくりすると同時に
患者としては、うらやましい限りです。
asahi.comがん その先へ(4)より
日本で開催されているリレーフォーライフで集まった寄付金は
日本対がん協会により
がん相談や、若手医師のための奨学金
そして検診率向上のために使われています。

でも患者としては
○○という新薬の治験のため
○○の臨床試験のために使ってもらえたらなぁ~と
思っていたところ、次のニュースを見つけました。

それは「日本癌学会」の第69回学術総会特別企画
「今がん研究に求められること―がん研究に関する提言―」
に関するニュース
です。

関原健夫さん(大腸がんサバイバー・日本対がん協会常務理事)が
「欧米では多額の募金が研究者への助成に使われている。
学会は、積極的に情報を発信し、患者の力を得て
日本にがん研究の応援団を作るべき」
と患者・支援者との連携の必要性を訴えた。

なるほど、寄付金をがん研究に直接関係する分野で使ってもらおうと思っても
がん研究の分野でも、縦割り組織の弊害があるのですね。

ところで、学会というと私たち一般市民からは、雲の上の存在のように感じていますね。
そして、そこでどんな研究が行われ、私たち患者や市民にどのように役立つのか
という情報が、不足していますね。
だから、学会というと、私たちの日常生活とは、何の関係もない
遠い存在になってしまっています。


このニュースでも、ある患者会の代表者が
「先生方からアクションを起こして患者会を有効利用していただけたら……」
と発言されたそうです。

日本でも、リレーフォーライフの寄付金が
がん研究に役立つようになるためには
まだまだ、いくつものハードルを越えなければならないようですね。

2010年10月13日水曜日

高額療養費について

高額療養費制度とは、高額な療養費を支払った時に健康保険組合から一定限度額以上分の支払い額が帰ってくるありがたい制度……と思っていました。
でも、結構ややこしいのです。
差額ベッド代や食事療養費などが自己負担の対象にならない、というのは納得できます。
しかし
一ヶ月とは1日から末日までのこと
自己負担額はレセプトごとに計算されること
通院時と入院時に支払った費用も別々に限度額をこえていること
などは、ちょっと分かりづらいですね。

何せ、乳がんと告知されるまで
いたって健康で、医者嫌いの私は
病院とは縁なく、まして、高額療養費制度など
ちょっと聞きかじっていた程度。

で、告知され、入院・手術・放射線治療と過ぎていくなか
聞きかじった高額療養費制度の皮算用。
ところが、実際かえってきた金額は、私の皮算用よりは少な目。
そこでようやく、先に述べたような
高額療養費制度のややこしい事情を知ったのでした。

高額療養費制度のややこしさも問題ですが
今、問題にされているのが、その財源です。
医療が進歩し、新たな治療法や薬が患者に恩恵をもたらすようになった反面
その医療費は、高額になっています。
そのような現状では、高額療養費制度はなくてはならないものとなっています。
ということは、財源が膨らむ一方、という事です。
厚労省の発表では、高額療養費の見直しに2600億円必要、とも言われています。
しかし、この2600億円という試算が、果たして正しいのか、という意見もあります。
厚労省も、「粗い試算」としています。

ちょっと話は変わりますが「グリペック」という薬をご存知でしょうか。
この薬は、慢性骨髄性白血病の特効薬と言われています。
この薬を飲むことで、普通の日常生活を送りながら、病と共存することができるのです。
けれども問題は、この薬が「高額」で「飲み続けなければならない」という事です。
患者負担は、高額療養費を利用しても一ヶ月10万円以上になるといいます。
この自己負担金を払い続けることが困難となり
「金の切れ目が命の切れ目」という問題が、現実に起こっているとの指摘もあります。

ある試算によると、このグリペックの売上げ額は464億円(2009年)とか
この試算を行ったグループによると、高額療養費の見直しに必要な財源は550億円としています。
厚労省の試算2600億円に比べ、5分の1程の金額になっています。

国民の命に関わる医療費の問題です。
厚労省は「粗い試算」などと言わず
この際「きちんとした(信頼できる)試算」を出して
国民に示してほしいと思います。

そして、私たち国民も
これら医療費問題について、真剣に議論しなければならないと思います。

私たち一人ひとりの命を守るために
何を公費で補い
何を自己責任とするのか
それは、難しい選択となるでしょう。
しかし、財源は空から降ってくる訳ではないのです。

参考にしたHPです。
gooニュース「自己負担限度額見直しの影響を試算」2010年9月8日

Infoseek・内憂外患「がん患者を経済危機から救え グリベッック」

キャリアブレイン「医療保険制度の根本見直しに向けた意見提出へ」2010年5月10日

キャリアブレイン「高額療養費制度の見直しを求め要望書提出」2010年5月21日

医療ガバナンス学会メールマガジン「高額療養費制度見直しに2600億円も必要ですか」2010年10月12日

高額療養費については、以下の厚労省のページをご覧下さい。
厚労省:高額療養費制度を利用される皆さまへ